読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

コンピューターサイエンス

目が痛かった。画面をずっと睨んでいたからだ。仕事はコンピューターアーキテクチャーの設計をしている。つまり、コンピューターサイエンスの知識は不可欠だった。日本語では計算機科学と訳されるそうだが、確かにその昔は、算盤(そろばん)やパンチカードシステムなどを指していた。

 

だが、今は、そんな原始的な構造ではないのは自明だった。離散構造に計算理論、アルゴリズム解析・・・難解なものばかりだ。

特に、スケジューリングの問題はやっかいだ。マルチタスキングに深刻な影響を及ぼすからだ。排他制御やリエントラント構造に精通したあいつに頼むしかあるまい。

あいつは、だが素っ気なく断って来た。そこまでやる理由がないとのことだった。要するに、君にそんな面倒な作業をしてあげるほどの貸しはないとのことだった。なるほど、確かに彼にはそう言えるだけの理由があった。既に、こっちには多くの借りがある。そう、随分と助けてもらっていたのを忘れていた。

結局、コンピューターサイエンスの内実も似たようなものかも知れない。貸しと借り、「貸借対照表」の問題なのだ。

 

f:id:mavze:20161006132842j:plain

 

広告を非表示にする