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それぞれの成人式

ウチらはよぉ~超イケてる成人式にしたいわけよ?分かる?だからよ、ダチの連中と、プランを練ったわけさw

 

まずは、バイクやシャコタンのスープラで、賑やかに会場に乗り着けて、軽くごあいさつって感じかなw

そんでさ、似合わねえー着物きたブサイクな女どもが、一杯たむろってるだろうから、こう叫ぶのさ。

「おめえら、さっさと中に入れよ!ボケwいつまでも、こんなクソ寒いトコにいんじゃねーよw誰も、そんな安もんの着物なんか見ちゃいねーんだからさw」みたいな。

だって、これから中で大暴れすんだからさ、ギャラリーは多いほうが盛り上がるじゃんw

そんで、市長のおっさんがクソつまんねー演説始めたら、ショータイムのお時間!メインコンテンツってやつ?

よっしゃ!行くぞーwオレら‘突撃隊‘は、一斉に奇声を叫びながら、大ホールの階段を駆け下りて行ったねw

女どもは、予想どおり、キャーの大合唱ww反対に、男たちは、呆然としてたのが多かったなw

壇上の、お偉いさんたちは、戸惑ったようなアホ面してた。登ろうとしたら、横から、ポリ公どもが邪魔してきやがった。

もち想定内だ、そいつらの顔面にスプレーや飛び蹴りをお見舞いしてやったぜwそんで一気に無力化して、市長に注意を向けたら、あいつ逃げようとしてたんだ。

「おい!逃がすな!!」

5人がかりで、逃げようとする市長のおっさんを捕まえて、床に倒した。

「な、何するんだ!君たち、止めなさい!!」

「市長さんよお、随分と偉そうにしてんじゃんwじゃ、こっちもさぞかしスゲーんだろうねえw」

オレらは、おっさんのズボンを脱がそうとした。

「ちょ!おい、止めんか!誰か、助けてくれ!」

 

それより一時間前。

 

私は一市民として我慢ならなかった。こんな、若造に乱痴気騒ぎさせるために、貴重な税金を使うなんて正気の沙汰ではない。

何度も中止を市役所に迫ったが、なしのつぶてだった。

仕方あるまい・・・実力行使で訴えるよりなかろう。もう70過ぎだ、女房は既に亡く、子供は立派に自立した。思い残すことはない。

何十年と自衛隊で、この国を守るために献身してきた。それがどうだ、この有様は!

私は、お手製の爆弾を何十個も装着したジャケットを着こんだ。重いが何とかなるだろう。市長の演説が終わるまで、舞台裏でじっとしてるだけだからな。

 

「ちょ!おい、止めんか!誰か、助けてくれ!」

私は、予想外の展開に少々、面喰ったが、すぐに冷静さを取り戻した。幕越しに見ると、悪ガキどもが市長に馬乗りになっている。

これでいい。心置きなく実行できるというのものだ。

私は、無言で静かに舞台に出た。

悪ガキどもは、キョトンとした顔でこちらを見ていた。私はニヤリと返した。

そして一瞬、静寂が訪れた。悪ガキだけじゃなく、市長も警官も職員も来賓も、そして何百人もの若造たち・・・

凍り付いたみたいにじっとしていた。

うむ、すまんな・・・みんなで仲良くあの世へ行こう・・・

スイッチオン。市民会館が丸ごと崩れたようだ。

あのガキ共も喜んでるだろう、こんな派手な成人式は生まれて初めてだってな・・・

 

 

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