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北海道の秩父別町の鐘を鳴らせ!

私は、何を隠そう、IMR(Impossible Mission Region)のリーダーである。地域振興を目的に極秘任務を遂行する半官半民のスペシャルチームなのである。

 

さあ、今回の指令は何かな?

平日朝10時の図書館。がらんとしてる。

指定された本棚から、ある辞書を取り出す。周囲を見回して、誰もいないのを確認。中を開くと大きな穴がくり抜かれている。そこにカセットテープが入っていた。

「すみません。試聴ブースを利用したいんですが・・・」

中年男の係員は、仏頂面で言う。

「ここに氏名を書いて」

中々、感じのいい殿方だ。どうせ、非正規の臨時雇いなんだろう。

ブースに座ると、デッキにテープを入れる。

「・・・おはよう、辺留不須くん。北海道の秩父別町(ちっぷべつちょう)は、札幌から北へ1時間ほどの距離にある、人口約2400人の小さな町だ。米やトマトが特産で、水田が広がっている。ここには、開基100年記念塔という高さ30メートルほどの塔があり、国内最大級とされる重さ2.8トンのオランダ製の鐘が設置されている。そしてまた展望階には、小さな、しあわせの鐘があるそうだ。そこで君の使命だが、この小さな鐘を鳴らして願い事をすることにある。例によって、君もしくはメンバーが捕らえられあるいは殺されても、当局は一切関知しないので、そのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する・・・」

どうやら、テープ自体に仕掛けが施されているようで、煙が出てきた。

あの、感じのいい係員に叫んだ。

「おい!煙が出てるぞ!」

係員の中年男は、面倒くさそうにやってきた。

「どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたも、ないだろ?危ないところだったんだぞ!どうしてくれるんだ!」

大騒ぎして、図書館長まで呼びつけた。館長は平謝りで、中年男に言った。

「何やっとる!君はもう首だ!!」

満足したので、帰ろう。

 

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(ソース・秩父別故郷米倶楽部ホームページ)

 

分厚い革製のファイルケースを持って、5人掛けのソファーに座る。メンバー選びは、頭を使うので、ワインを飲む。

秩父別町・・・美しい田園風景に、大きい方の鐘の音が1日に4回、コンピューター制御で鳴るそうだ。実にロマンチックな感じだが、問題は、小さな方の「しあわせの鐘」だ。塔の長い螺旋階段を登らないといけないらしい。まさに、あの鐘を鳴らすのは誰だってわけだが、さて、その作戦とは・・・?

 



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