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アメリカと日本、東京と地方

女子大生の緑は疑問に思った。

 

アメリカと日本の不平等な関係は、そのまま東京と地方にも当てはまることに。

神戸大の大学院で、国際文化を専攻している。毎日のように、図書館に通い、膨大な文献を読んだ。

そして確信したのだ。アメリカにとって、日本は体のいい「舎弟」なように、東京にとっては、地方がそうなのだと。

今でも、アメリカにとって、日本はフジヤマゲイシのイメージであろう。そして、例えば、東京から見た大阪のイメージは、タコ焼きと豹柄のオバちゃん なのだ。

要するに、ステロタイプなのである。

弱者と強者。

アメリカには卑屈なほど腰の低い日本なのに、地方には冷たいのではないか。

大統領と都知事。

この二人に、メディアジャックされてしまったみたいだ。百歩譲って、アメリカ大統領はいいだろう。日本だけでなく、世界に甚大な影響があるのだろうから。

でも、東京の話題はどうだろう。千代田区長が誰であろうと、豊洲ベンゼンまみれだろうと、こっちには関係ないことじゃないのか?

酷過ぎる。思わず、涙が出てくる。図書館の窓から外を見ると、六甲山がドンヨリした曇り空の下で憂鬱そうにしていた。

・・・しかし、考えてみれば、東京以外の地方が、もっとエネルギッシュに頑張ればいいのではないか。

あの大統領みたいにとは言わないけど、批判を恐れず、波風を起こしまくって、どんどん東京や国に盾突くべきだ。

かつて、大阪にそんな人がいたけど、ああいう人がもっと必要なのではないか。

「緑、また、お勉強かよ?」

彼氏だ。

「うん、修士論文があるんだもん」

「ああ、なるほど。ほんと真面目だよね~スタバに行かない?」

「行こうか?」

 

スタバの店内は空いていた。

「なんか最近、空いてきたな」

彼氏は、煙草に火をつけて、周りを見回しながら言った。

「そうだね~」

「これ見てみ」

彼氏は、マックブックを開いた。

 


「ああー」

緑は、既に知っていた。

「ひでえよなw」

「何でだろうね?」

「西宮とか明石は増えてるみたいだけどな・・・う~ん、わかんねw」

彼氏は、この春に東京への就職が決まっていた。

「・・・で、お前はどうすんの?」

「うん、できれば、このまま神戸を離れたくないんだけど・・・」

「じゃ、俺ら、別れるしかないじゃん?」

「・・・遠距離恋愛もあるよ・・・」

緑は、カップに目を落とした。

「そんなの意味ねーよw金もかかるしさ」

彼氏は、見透かしていた。

緑は、俺から離れられないことを。

「そうだよね・・・分かった!緑も東京へ行く!」

彼氏なしには、何もできない女。それが緑なのだ。

アメリカと日本、東京と地方、その関係も同じことなのだ。

 

 

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