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ワイタンギ条約を知らない人にアドバイス

政治

おれは、ささくれ立っていた。コンビニの恵方巻だ。

 

ノルマがひでえの何のって、やってらんねーよ!でもよ、店長に文句言ってもしょうがねえしな・・・本部に雇われてるだけだかんな。

まあ、あとオーナーってのもいるんだが、こいつは週に一回しか来ねーし、ただニコニコしてるだけの役立たずだからなw

まあ、コンビニのバイトなんて、マトモな神経してたらやるもんじゃねーけど、悲しいかな、50代「ノースキル仕様」のおれに選択の余地はなかったんだ。

煩雑化する一方の業務、悪化する一方のDQN客、全く地獄だぜ~w

深夜、おれはいつものように、たった一人で店番をしていた。

あ~あ、お菓子の品出し、やってねーじゃんか!ったく、これだから高校生のバイトはダメなんだよ!

ま、中々ね、時給1000円に上げても、集まんねーしなあ。あんなアホガキでも重宝しないとな・・・

そん時だ、なんか外が妙に明るくなったことに気づいた。まるで、工事用の大型ライトが当たったような感じだ。

自動ドアが開いた。何と、後光が差した女神さんだった!

「あなた、ワイタンギ条約をご存知かしら?」

「え?ワ、ワイタン・・・なんですか?」

「フフフ、あなた何も知らないのね。それじゃ、一生こんな奴隷みたいな仕事で終わっちゃいますよ~」

「は?」

「ワイタンギ条約というのはね、1840年2月6日に、ニュージーランドのワイタンギって所で、イギリスと原住民のマオリ族が交わした条約なの。つまり、ちょうど177年前ってことね」

「・・・それが何か?」

「まだ、分からないの?鈍いひと!」

おれは、次第に苛立ってきた。何だこいつ・・・

「あのね、これは不平等な条約だったの。マオリ族は、イギリスの傲慢な帝国主義の犠牲になったのよ」

「はあ・・・」

ダメだ。

確かに綺麗なネーチャンだが、だいぶ、オツムがいかれたコスプレ野郎だと判断したおれは、警察に電話しようとレジに急いだ。

だが、身長170センチのコスプレ女が、身長165センチのおれの背中に圧し掛かってきた。

思わず、倒れてしまった。

「何すんだ!暴力はやめろ、このコスプレ野郎!」

「ほら、よく見てみなさい。私の後ろを。電飾も仕掛けもないのに、自然に光ってるでしょ」

確かに、種も仕掛けもなかった。こりゃ、本物の女神に間違いなさそうだった。

「私はね、アドバイスをしたかったの。あなたみたいな、奴隷同然に働かされてる人にね。ワイタンギ条約のように、雇用契約におかしな所があったら、コンビニ本部に抗議しなきゃ駄目よ」

そして、すっと消えてしまった。

ワイタンギ条約とコンビニ・・・一見、無関係に思えるが、そこには案外、深い関連があるのかのもしれない。

 

ニュージーランド (タビトモ)

ニュージーランド (タビトモ)

 

 

 

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